「第17回日本子ども虐待医学会学術集会みと」の大会長を務めさせて頂く茨城県立こども病院の本山景一と申します。2026年7月17日から19日まで水戸市民会館にて開催予定の本学術集会に向け、多くの方のご支援を頂きながら鋭意準備を進めております。
本学術集会のテーマは「虐待診療は究極の小児医療」といたしました。
「自分から訴えることが難しい子ども」を対象とする小児医療において、子どもに何が起きているかをつかむための技術や工夫は非常に重要です。それに加えて養育者をはじめとして学校、保育園、行政、警察など多職種・多機関との連携も日常的に必要となります。私たちはいつも「子どものこえを聞くために技術を磨き、連携を深めている」と言っても過言ではありません。
さらに「虐待を受けている子どもたちのこえ」はもっと小さく、「何が起きているか」に迫ることは困難です。そのような子どもたちに向き合うためには、小児医療で培ってきた技術と連携を最大限に活用して臨む必要があります。「小児医療と虐待診療は地続きであり、虐待診療は小児診療の一つの集大成である」そんな思いをこのテーマに込めました。本学術集会では、小児医療の粋を集め「子どもの最善」につなげる方法をみなさまと持ち寄り、語り合い、見出す場にしたいと考えています。
本学術集会は17回目の開催となります。日本の成人年齢が18歳であることから、もし学術集会を「ひと」と見立てるならば、「子ども期最後の学術集会」と位置付けることが出来るでしょう。私自身、北九州で開催された第1回学術集会に参加したのは、小児科医として歩み始めたばかりの頃に出会ったAHTの子どもについて発表させて頂いたことがきっかけでした。その後、右も左もわからなかった私が先輩方との出会いや学びを経て、「子どもの最善」のために何が出来るかを考えるようになり、水戸という地方都市で試行錯誤を続ける中で今大会長を務めさせて頂くに至りました。本学術集会では、本学会の歴史を改めて振り返り「JaMSCANの子ども期の総括」も出来るような企画も予定しております。
さらに、本学術集会では、NHK、ユニセフ、子ども家庭庁による「こどもの権利プロジェクト」ともコラボレーションさせて頂き、「アイラブみー」のかわいいキャラクター達にもご協力頂いています。より間口を広げて、若手の医師や看護師をはじめ、さらに多くの職種や関連機関の方々にもご参加頂ける大会を目指します。
みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
第17回日本子ども虐待医学会学術集会みと
大会長 本山景一