第11回日本薬学教育学会大会の開催にあたって

大阪医科薬科大学 薬学部長
2016年8月に新しい薬学教育の充実・発展に向け、科学的基盤としての薬学教育学を確立する目的で、「日本薬学教育学会」が設立され、第1回大会が京都薬科大学で開催されました。それから今日までの10年間の間に、薬学教育モデル・コア・カリキュラムの二度目の改訂(令和4年度改訂)が行われました。この改訂では、多職種連携推進の観点から、医学部・歯学部と共通化が図られた「薬剤師として求められる基本的な資質・能力」が提示され、医療人育成教育の中に薬剤師教育が明確に位置づけられました。この令和4年度改訂版薬学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠した新カリキュラムによる教育が令和6年度入学生からスタートし、薬学教育は新たなフェーズに入りました。
さて、第11回日本薬学教育学会大会は、2026年8月22日(土)~8月23日(日)の2日間にわたり、大阪医科薬科大学薬学部(阿武山キャンパス)で開催させていただくことになり、関係者一同、鋭意準備を進めております。
第11回大会のテーマは、「いまこそ薬学の再興、そして最高‼︎ 〜みんなで薬学教育の基軸を語り合おう〜」としています。新たなフェーズに入った薬学教育では、知識を概念化した上で新たに直面する課題の解決に活かせる総合的な学力を学生が身につけることが求められています。こうした学力・能力を身につけた薬剤師及び薬学研究者を輩出していくことが、大きく変貌していく社会への貢献のみならず、薬学及び薬学教育のさらなる発展に寄与するものと考えます。
本大会が、薬学教育に携わる皆様とともに本学会の設立趣旨である「薬学教育の充実・発展」を見据え、新コアカリの教育目標を実現していく議論の場となりますよう、多数の皆様と大阪・高槻の地でお会いできることを楽しみにしております。