日本ロールシャッハ学会第29回大会

プログラム概要

1)ワークショップ 10月11日(土) 10:00~12:30

ワークショップを受講される場合は、以下のA~Eの5コースの中から第3希望までを選択し、「大会申し込みフォーム」からお申し込みください(定員に余裕があれば当日参加も可能です)。
大会参加費のご入金確認後に受講いただけるコースを確定し、大会事務局からメールにて連絡いたします。

Aコース「TAT入門~図版そのものと分析・解釈の多様性」

講師:浦田 洋(京都橘大学)

ロールシャッハ法と並ぶ代表的な投映法であるにもかかわらず、一部の領域を除いては活用されることが少ないと言われているのがTAT(主題統覚検査)です。TATはその成り立ちを考えると図版1枚1枚がartであり、もちろん、図版への語りの分析・解釈もまたartと言えます。本ワークショップではこの2つのartを取り上げ、普段TATをお使いでない方々にも、まず、TAT図版自体に興味を持っていただき、かつ、多様な語りの分析・解釈を通じて、臨床上の有用性を少しでも実感いただけるような機会となることを願います。

Bコース「発達障害におけるロールシャッハ法の活用」

講師:北村 麻紀子(個人開業)

自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害に対し、ロールシャッハ法や文章完成法(SCT)などの投映法を用いる意義を探ります。発達特性により自己理解や対人関係に課題を抱え、時に精神病的混乱を生じるクライエントに対して、投映法がどのような側面に光を当て、理解や支援の手がかりとなるかについて考えを深めたいと思います。

Cコース「描画テストの「反応産出過程」を解釈する」

講師:馬場 史津(中京大学)

描画テストは絵を解釈するテストですが、完成された絵を見て解釈するだけでなく、検査場面での行動観察、つまり描画順などを含めた「絵を描く過程」が重要な情報源となります。今回は講義に加え、実際の事例から絵を描く過程がどのような意味を持つのかについて考えてみたいと思います。描画順、行動観察の記録がある事例を募集します。
★事例を募集します(7月31日までに大会事務局(jsrpm29@gmail.com ※@を半角に置き換えてください)宛にご連絡ください)

Dコース「精神分析が拓くロールシャッハ法」

講師:吉村 聡(上智大学)

精神分析を活用したロールシャッハ解釈を学びます。記号の解釈と同じように、ここにも解釈の「枠組」があります。しかし分析的な理解では、この枠組を下地にしながら、臨床的な知識と感性で各反応と反応間の流れを理解することが求められます。本ワークショップでは、力動的解釈の基本をおさらいするとともに、定型化された解釈から脱却して、事例の個別性と臨床上の示唆を捉えるための道を探ります。
事例を募集します(ロールシャッハ体系は問いません)。SCTを含むバッテリーを優先します。
★事例を募集します(7月31日までに大会事務局(jsrpm29@gmail.com ※@を半角に置き換えてください)宛にご連絡ください)

Eコース「自由クラス出張版」

講師:関西ロールシャッハ研究会

関西ロールシャッハ研究会の「自由クラス」は1972(昭和47)年から続くロールシャッハ法の研鑽の場です。今回、第10回大会での「Case Conference in Nagoya」以来となる「自由クラス出張版」をおこないます。提供された事例のロールシャッハ・プロトコルを読み、文字通り「自由」にディスカッションをおこないます。関心のある方からの事例提供を1件募ります。技法は問いません。
★事例を募集します(7月31日までに大会事務局(jsrpm29@gmail.com ※@を半角に置き換えてください)宛にご連絡ください)

2)研究発表(口頭:一般・事例/ポスター) 10月11日(土)13:00-18:50

  • 口頭発表  一般研究・事例研究 ①14:00~15:30、②15:40~17:10、③17:20~18:50
  • ポスター発表  13:00~17:10
若手研究奨励賞

投映法研究の発展を目的として、日本ロールシャッハ学会研究助成委員会の協力を得て「若手研究奨励賞」を企画します。40歳未満の若手研究者・臨床家による一般研究、事例研究、ポスター研究を対象に発表抄録の審査を行い、各々のカテゴリーから1名ずつを表彰します。

3)「ロールシャッハの集い」&広報・情報化委員会共催企画 10月11日(土)17:20~18:50

テーマ「ロールシャッハの学びを支える場」について語る

関西地区でロールシャッハ法研究に携わっている4団体の活動報告を受け、全国からの参加者とともにロールシャッハの学びを支える場について語り合い、情報交換や相互の取り入れを図り、ロールシャッハ法のこれからについて考えることを目的とします。

4)大会長講演 10月12日(日)10:00~11:30

演題「ロールシャッハテストと『自己』の様相について」

講演者:
小笠原 將之(関西福祉科学大学)
司 会:
石橋 正浩(大阪教育大学)

5)フリートークルーム(広報・情報化委員会特別企画)10月12日(日)11:30~12:30

日頃の疑問や意見などを自由に語り合っていただくための交流の場を設けます。昼食の持込みも可です。事前申込は不要、出入り自由で、どなたでもご参加いただけます。広報・情報化委員会のメンバーも参加予定です。

6)総会 10月12日(日)12:30~13:20

会員の方のみご参加いただけます。

7)特別講演 10月12日(日)13:30~14:50

演題「精神病理学からみた心の深さ」

講演者:
内海 健(東京藝術大学名誉教授)
司 会:
小笠原 將之(関西福祉科学大学)

8)シンポジウム 10月12日(日)15:00~17:30

テーマ「ロールシャッハ法の射程―その現状と将来への展望―」

話題提供:
小海 宏之(関西大学)「神経心理学的視点からのロールシャッハ理解」
坪井 裕子(名古屋市立大学)「子どものロールシャッハ法:その可能性を考える」
依田 茂久(神戸保護観察所)「ロールシャッハテストを臨床現場でどう活かすか~司法領域における実践から」
指定討論:
小笠原 將之(関西福祉科学大学)
司  会:
高瀬 由嗣(明治大学)
高橋 裕子(大阪樟蔭女子大学)
ページの先頭へ戻る