プログラム
特別講演1
Circadian Clock Regulation of Longevity
- 講演者:
- Joseph S. Takahashi (University of Texas Southwestern Medical Center)
- 座長:
- 八木田和弘(京都府立医科大学)
- 日時:
- 2025年10月4日(土)10:50~11:50
- 場所:
- 歴彩館・大ホール
特別講演2
哺乳類の時計遺伝子と生体リズム
Mammalian clock genes and biological rhythms
- 講演者:
- 岡村均(京都大学名誉教授)
- 座長:
- 土居雅夫(京都大学)
- 日時:
- 2025年10月5日(日)10:50~11:50
- 場所:
- 歴彩館・大ホール
Special Lunch Lecture1
Why and how do we sleep?
睡眠の仕組みと意義について
- 講演者:
- 上田泰己(東京大学)
- 座長:
- 八木田和弘(京都府立医科大学)
- 協賛:
- 京都メディカルクラブ
- 日時:
- 2025年10月4日(土)12:00~13:00
- 場所:
- 歴彩館・大ホール
Special Lunch Lecture2
時間生物学における未解決問題
Unsettled questions in chronobiology
- 講演者:
- 本間研一(北海道大学名誉教授)
- 座長:
- 中村渉(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
- 日時:
- 2025年10月5日(日)12:00~13:00
- 場所:
- 歴彩館・大ホール
シンポジウム1
1)シンポジウムタイトル
概日リズムによる動的恒常性制御:原理から病態まで
Homeo-dynamics through the Circadian System: Mechanisms and Pathological Impacts
2)オーガナイザー
八木田和弘(京都府立医科大学)
Seung-Hee Yoo (University of Texas Health Science Center at Houston)
3)シンポジウム概要
概日リズムによる動的恒常性の制御は、全身の様々な生理機能を統合し生体を最適な状態に維持する役割を担っている。多臓器連関も含め、個体システムとして最適な時刻に最適な機能を発揮することは、健康の維持に直結しており、概日リズムによる制御機構はいわば「健康の原理」と言っても過言ではない。このような概日リズムによる全身機能の統合的制御機構は、現在でも十分な理解には至っていない。本シンポジウムでは、基礎的研究からトランスレーショナル研究まで、様々な臓器や器官系の概日リズム制御原理に迫るアプローチを紹介し議論したい。
Symposium Overview
The regulation of homeo-dynamics by circadian rhythms plays a crucial role in integrating various physiological functions throughout the body to maintain an optimal state. Achieving appropriate physiologies at the optimal time is directly linked to health, suggesting that the regulatory mechanisms of circadian rhythms represent one of the "principles of health." However, the integrative control systems governing physiological functions through circadian rhythms are still not fully understood. This symposium aims to present and discuss various approaches that explore the principles of circadian rhythm regulation across different organs and systems, ranging from basic to translational research.
4)講演者
Hiroyuki Tamiya (Institute of Biomedical Science, Kansai Medical University)
Formation of the Central Circadian Pacemaker from pluripotent stem cells
Nobuya Koike (Kyoto Prefectural University of Medicine)
Circadian Misalignment-Induced Pathologies: Insights from Liver and Muscle in a Chronic Jet Lag Mouse Model
Takahiro J. Nakamura (School of Agriculture, Meiji University)
BDNF as a Key Diffusible Output of the SCN Regulating Circadian Behavioral Rhythms
Jihwan Myung (Graduate Institute of Mind, Brain and Consciousness, Taipei Medical University)
Circadian Homeodynamics of Metabolite Clearance in the Brain’s Closed Fluid Environment
Seung-Hee Yoo (The University of Texas Health Science Center at Houston)
Circadian E3 ligase Fbxl21 mediates Molecular Chaperone DNAJB6 degradation and Regulates Stress Granule Dynamics
5)使用言語
英語
シンポジウム2
1)シンポジウムタイトル
植物の時間制御から見る変動環境下の太陽光利用「協賛:学術変革領域研究A植物気候フィードバック」
2)オーガナイザー
小山時隆(京都大学)
久保田茜(奈良先端大)
3)シンポジウム概要
地球上の生命の原動力をたどると、そのほとんどが光合成による太陽光エネルギーの利用に行き着く。光合成生物の誕生によって地球の大気環境が変化し、多様な生態系が生み出されてきた。光合成生物は、1日あるいは1年といった時間経過に伴い変化する太陽光を巧みに利用する仕組みを発達させている。本シンポジウムでは、光合成の担い手である植物を中心に、太陽光エネルギーの利用効率や時間情報としての活用、さらには表在微生物側から見た植物の太陽光利用など、多様な視点から変動する光環境と生命の適応を探る。
4)講演者
久保田茜(奈良先端大・バイオ)
The circadian clock regulates chroloplast movement in Arabidopsis
概日時計による葉緑体運動の制御機構
阪井康能(京都大学生存学館)
Characteristic cellular functions of phyllosphere C1 microorganisms and their evolution in adaptation to diurnal environment
メタノール資化性葉圏微生物に特徴的な細胞機能とその日周性環境適応進化
中田泰地(九州大学大学院理学研究院)
Comparison of molecular calendar of forest trees between tropical and temperate environments
分子フェノロジーの熱帯・温帯間比較:季節的環境変動が小さい熱帯生態系の樹木が示す脆弱な光合成機能
伊藤照悟(京都大学大学院理学研究科)
High-value biomass production through the modulation of photoperiod dependent dormancy and growth in duckweed Lemna turionifera
ウキクサ植物の光周期依存休眠制御から高付加価値バイオマス生産を目指す
5)使用言語
日本語
シンポジウム3
1)シンポジウムタイトル
生物リズムの普遍性と多様性「協賛:学術変革領域研究A時間タンパク質学(Chronoproteinology)」
2)オーガナイザー
吉種光(東京都医学総合研究所)
伊藤浩史(九州大学)
3)シンポジウム概要
周期・スケール・生物種の異なる生物リズムの間に共通する性質、メカニズム、研究手法はあるのでしょうか?またはどのように異なるのでしょうか?学術変革領域研究A「時間タンパク質学(Chronoproteinology)」との共催となる本シンポジウムでは、領域の公募班員の成果を中心に、生物リズムの普遍性と多様性を再考してみたいと思います。
4)講演者
吉種光(東京都医学総合研究所)
Introduction
はじめに
柿嶋聡(昭和医科大学富士山麓自然・生物研究所)
Toward understanding how periodical mass-flowering plants measure a six-year period
周期的一斉開花植物の持つ6年を測る機構の解明に向けて
磯村彰宏(理化学研究所生命機能科学研究センター)
Illuminating the segmentation clock via synthetic biology approaches
合成生物学的手法で探る分節時計の制御機構
森俊文(九州大学先導物質化学研究所)
Molecular origin of circadian rhythm in the clock protein of cyanobacteria
シアノバクテリアの時計タンパク質でみる概日リズムの分子起源
中道範人(名古屋大学大学院生命農学研究科)
CK1 regulates the Arabidopsis circadian clock
植物時計を制御するCK1
市之瀬敏晴(東北大学学際科学フロンティア研究所)
Translatome approach to memory stability and sleep rhythm
トランスラトーム解析から理解する記憶と睡眠リズムの時間安定性
5)使用言語
日本語
シンポジウム4
1)シンポジウムタイトル
"Unraveling Biological Rhythms with Mathematics and Big Data"
「数理×データで解き明かす生体リズムのメカニズム」
2)オーガナイザー
平野有沙(筑波大学)
黒澤元(理研 iTHEMS)
3)シンポジウム概要
情報科学の進展と相まって、数理的研究はリズム現象を理解するために、時間生物学にはなくてはならない視点を提供してきました。本シンポジウムでは、概日リズム、冬眠、体節時計などの幅広い生物リズム現象を対象とした理論的アプローチに焦点を当てて最前線の研究を紹介します。リズム現象を数理と大規模データの融合によって理解する基礎研究から、本学術大会のテーマである医療・産業・環境分野への応用可能性まで、国内外の専門家による講演とディスカッションを通じて時間生物学の新たな研究の方向性を提示し、異分野融合の機会を創出する場とします。
With the advancement of information science, mathematical research has provided an indispensable perspective for understanding rhythmic phenomena in chronobiology. This symposium will highlight cutting-edge research that focuses on theoretical approaches to a wide range of biological rhythms, including circadian rhythms, hibernation, and the segmentation clock. Through lectures and discussions by experts from around the world, we aim to explore fundamental research on understanding rhythmic phenomena through mathematical modeling and large-scale data analysis, as well as their potential applications in fields such as medicine, industry, and environmental science. This symposium will serve as a platform to present new research directions in chronobiology and foster interdisciplinary collaboration.
4)講演者
増田 亘作(京都大学医生物学研究所)
Estimation and prediction methods for circadian phase response curve
概日リズムにおける位相応答曲線の推定と予測手法
下條 博美(大阪大学生命機能研究科)
Notch oscillation in neurogenesis and somitogenesis
マウス神経発生と体節形成過程におけるNotchシグナル振動の制御機構と生物学的意義
Bharath Ananthasubramaniam(Institute for Theoretical Biology, Humboldt Universität zu Berlin)
From Data to Discovery: Chronobiology in Translation
Gen Kurosawa (RIKEN Center for Interdisciplinary Theoretical and Mathematical Sciences)
A data-driven discovery of a frequency-modulated timer in distinct mammalian hibernators
5)使用言語
英語
シンポジウム5
1)シンポジウムタイトル
睡眠・覚醒リズムがとらえる人の健康と疾患:概日リズムや睡眠をコントロールすることはできるのか?
2)オーガナイザー
井上雄一(東京医科大学)
駒田陽子(東京科学大学)
3)シンポジウム概要
睡眠は、健康増進・維持に不可欠な休養活動であり、睡眠が悪化することで、さまざまな疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まります。忙しい日常生活の中で、夜ふかしや睡眠不足が常態化していますが、私たちは概日リズムや睡眠をコントロールできるのでしょうか。本シンポジウムでは、健康や疾患と睡眠・概日リズムとの関わりについて考えてみたいと思います。
4)講演者
駒田陽子(東京科学大学環境・社会理工学院)
Clinical characteristics of insufficient sleep syndrome and its relationship with social time pressure
睡眠不足症候群の臨床的特徴と社会時間圧力との関係関係
志村哲祥(東京医科大学睡眠学講座)
No one will be left behind - Care of Circadian Rhythm Sleep and Wake Disorder
概日リズム睡眠・覚醒障害のケア - 誰一人取り残されない社会に向けて
角谷寛(滋賀医科大学精神医学講座)
Circadian Rhythms and Health in the Elderly
高齢者の概日リズムと健康
本間あや(北海道大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室)
Allergic diseases and Sleep, Circadian rhythms
アレルギー疾患と睡眠・概日リズム
5)使用言語
日本語
シンポジウム6
1)シンポジウムタイトル
体内時計と生理機能の最適化
2)オーガナイザー
中村渉(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
中村孝博(明治大学農学部)
3)シンポジウム概要
体内時計の存在意義は、生物が環境の周期的変動に適応し、生命活動を効率的に調整することにある。哺乳類では、視床下部の視交叉上核が体内時計の中枢として機能し、必要な生理機能を最適な時間に発現させる役割を担っている。本シンポジウムでは、体内時計による生理機能の最適化がエネルギーの効率的な利用を促し、生存・繁殖効率を高めるだけでなく、生涯を通じた生活の質の向上にも寄与する仕組みについて、環境生理学の視点から議論する。
4)講演者
中村 渉(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
Internal Coincidence Mechanism Underlying Estrous Cycle Adaptation
性周期の環境適応を制御する内的一致機構の検証
小川昭利(札幌学院大学経済経営学部)
Relationship between the activity of human suprachiasmatic nucleus and cerebral activity
ヒト視交叉上核の活動と大脳の脳活動との関係
木内謙一郎(慶応義塾大学医学部)
Maternal-fetal circadian communication and metabolic homeostasis in offspring
母児連関における概日リズムと次世代の代謝恒常性
小柳 悟(九州大学大学院薬学研究院)
Circadian clock-based strategies for enhancing quality of life during disease treatment
概日時計機構からみた疾患治療時のQOLの向上
安尾しのぶ(九州大学大学院農学研究院)
Application of Seasonal Rhythm Adaptation in Mammals to Human Health and Livestock Production
哺乳類における季節リズム適応能力を健康増進と動物生産に活用する
5)使用言語
日本語
シンポジウム7
1)シンポジウムタイトル
時間生物学における古くて新しいモデル生物の台頭
2)オーガナイザー
志賀向子(大阪大学大学院理学研究科)
3)シンポジウム概要
これまでキイロショウジョウバエやマウスを用い概日時計機構の理解が格段に進んだ。一方、野外には、これら実験室で長く飼育されつづけた動物では探れない時間とかかわる生命現象が多くある。近年の遺伝子操作や解析技術の発達により、様々な動物行動のメカニズムの解析が進んでいる。本シンポジウムでは刺胞動物、昆虫類、魚類、爬虫類、ほ乳類において近年台頭している古くて新しいモデル生物の最新の研究を紹介していただく。そして、動物門を超えて時間生物学研究の可能性について議論したい。
4)講演者
関口学(九州大学基幹教育院)
Understanding the Behavioral Patterns of Cnidarians Using Hydra as a Model
ヒドラをモデルとした刺胞動物の行動様式の理解
Jili Xi(International College, The University of Osaka)
The involvement of the neuropeptide corazonin in photoperiodism in the bean bug Riptortus pedestris
中山友哉(名古屋大学大学院生命農学研究科)
Seasonal Adaptation Mechanisms in Medaka: Transcriptome Dynamics Under Natural Conditions and Functional Analysis of the Novel Gene phod1
メダカをモデルとした動物の季節適応機構:自然条件下におけるトランスクリプトーム動態と新規遺伝子phod1の機能解析
乘本裕明(名古屋大学大学院理学研究科)
Neuronal activity rhythms during sleep and hibernation in mammals and reptiles
哺乳類と爬虫類の睡眠・冬眠時における神経活動リズム
5)使用言語
日本語
特別企画ワークショップ1
1)ワークショップタイトル
ヒトリズム研究の社会実装に向けてーこれから何をすべきか?
2)オーガナイザー
重吉 康史(近畿大学)
田原 優(広島大学)
3)特別企画ワークショップ概要
日本時間生物学会は臨床系と基礎系の合流で設立され、当初は臨床研究者が半数以上を占めていました。しかし分子生物学の発展により基礎研究が隆盛となり、現在ヒトを対象とする研究者は全会員の1割程度にまで減少しています。このままでは積み重ねられてきた時間医学の成果が失われる危険があります。この貴重な知を次世代に継承し社会実装へつなぐため、パネルディスカッションにおいて現状を把握し、今後の展開を模索したいと考えています。多くの会員に議論に加わっていただきたく存じます。
4)講演者
重吉 康史(近畿大学医学部解剖学)
ヒトリズム研究の社会実装に向けてーこれから何をすべきか?
田原 優(広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学)
時間栄養学の社会実装における現状と課題
角谷 寛(滋賀医科大学精神医学講座)
睡眠の時間治療と社会実測
粂 和彦(名古屋市立大学薬学研究科)
概日リズム睡眠障害治療理論の社会実装
本間あや(北海道大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室)
鼻咽喉科領域における時間医学社会実装への課題
藤秀人(富山大学学術研究部薬学・和漢系医療薬学研究室)
時間薬理学の社会実装
大塚 邦明(東京女子医科大学)
時間治療学の社会実装
5)使用言語
日本語
特別企画ワークショップ2
1)ワークショップタイトル
(日本語)「産業界と考えるシフトワークと健康」
(英語)"Shift Work and Health : Perspectives from Industry for Sustainability"
2)オーガナイザー
大柿麻有子(村田製作所 ESG・HR統括部 サステナビリティー推進部)
八木田和弘(京都府立医科大学)
3)特別企画ワークショップ概要
シフトワークと健康に関する課題は、未だエビデンスの蓄積も十分とはいえず、研究が進行中の分野です。本ワークショップでは、概日リズム研究者と先進的な企業の健康管理担当者がパネルディスカッションを通じて、現場の知見や実践を共有し、未来に向けたシフトワーカーの健康支援策を探ります。働く人々のウェルビーイング向上に挑む企業の取り組みを紹介し、より良い社会への新たな展望を議論します。
4)講演者
<話題提供>
大柿麻有子(株式会社村田製作所サステナビリティ推進部)
時間生物学と社会:企業におけるシフトワークの現状と課題
樋口重和(九州大学大学院芸術工学研究院人間生活デザイン部門)
概日リズムから考える新たなシフトワークの可能性
八木田和弘(京都府立医科大学統合生理学)
時間生物学と社会:シフトワークの健康負荷低減へのチャレンジ
<パネルディスカッション>
大柿麻有子(村田製作所)
樋口重和(九州大学)
八木田和弘(京都府立医科大学)
高橋俊彦(村田製作所)
5)使用言語
日本語
6)協賛
株式会社村田製作所