ご挨拶

この度、日本感情心理学会第33回大会を開催する運びとなりました。歴史ある本学会の大会を開催できることを、心より嬉しく思います。

本年度の大会テーマは「感情研究のクロスポイント ― 多元的アプローチが拓く新展開」です。このテーマのもと、感情研究に関わるいくつかの「交点」を軸に、参加者の皆さまと議論を深めていきたいと考えています。

一つ目は、研究領域の交点です。感情に関わる研究領域は、心理学にとどまらず、神経科学、情報学、工学、哲学、社会学など多岐にわたり、それぞれの分野で豊かな知見が積み重ねられてきました。いま求められているのは、こうした多様な視点を持ち寄り、学際的・越境的な対話を通じて、感情の本質や働きをより深く理解することだと考えます。そこで本大会では、神経科学やロボット工学など、心理学以外の多様な領域で感情を研究されている先生方にご登壇いただき、研究領域の交点に焦点を当てたシンポジウムを開催いたします。

二つ目は、実社会との交点です。感情は、学問領域を超えて、私たちの実生活と深く結びついています。実社会におけるさまざまな社会的課題の根底には、感情の働きが関わっていることが多くあります。そこで今回は、法律や労働といった社会生活の視点から、感情と実社会との交点を探るシンポジウムを開催します。これにより、実社会における感情の機能や意義について、多角的な議論を深めたいと考えています。

三つ目は、世代間の交点です。本学会からは、これまで多くの若手研究者が巣立っていきました。私自身もその一人として、本学会において多くの貴重な経験をさせていただき、成長させていただいたと感じています。そこで本大会では、学会で活発に研究を進める若手研究者によるフラッシュトーク形式の特別企画を開催します。これにより、次世代を担う若手研究者の新たな視点や着想を共有し、本大会が世代を超えた活発な交流の場となることを目指します。

最後に、本大会は学会との緊密な連携のもと、栃木県宇都宮市にて開催いたします。会場は宇都宮駅から徒歩2分と交通の便に優れ、観光地や郷土料理の名店へのアクセスも良好です。また懇親会では、宇都宮の特産品を多数ご用意し、参加者の皆さまに宇都宮の魅力を味わっていただくとともに、交流をより深めていただけるよう工夫を凝らしております。

皆さまのご参加を、心よりお待ちしております。

日本感情心理学会第33回大会
大会実行委員会委員長 木村健太